「2019年8月20日 川旅-29日目」【利尻島-3 利尻山】

川旅日記
この記事は約4分で読めます。

4時起床。まだ空は暗い。

ハムチーズトマトサンド
昨夜用意しておいた具材をフランスパンに挟んで食べる。
4:30頃から空が白くなり、カラスが鳴き始める。
出発
予定より30分遅れて5:30出発。始めからストックを使って歩く。
テーピングで固めてはいるが、やはり膝は痛い。
6:00北嶺野営場。ここから木に覆われた林道に入る。
石が多くて乗り越えるのが辛い。
ペースは上がらないが「焦るな焦るな」と自分に言い聞かす。

4合目
6:40に4合目着。
もう膝は、鈍くて重い痛みに加えてピリピリとした鋭い痛みも出始めた。
登れる所まで登ればイイと思って出発したが、登って限界を迎えて降りられない、では困る。
降りる力も残しておかなければいけない。やはり今日この膝の状態で登るのは無理だったのか?
しかし!ボクはまだ奥の手を使っていない!痛み止めを飲むんだ!
膝に痛みが出ない歩き方を探りながら進み、7:10に5合目。そして7:25に6合目。
やっと痛み止めの効きめが出て右足が前に出るようになった!

6合目からの眺望
海岸線が見渡せる気持ちの良い眺望。
しかし痛み止めはたぶん4時間で切れる。あまりノンビリとはしていられない。
小股で回転数を上げるんだ!

7合目
7:40に7合目。
5人程のパーティーがスペースを独占していて休めない。
これだから団体行動は嫌いだ。写真を撮ろうとしても、そこすら空けてくれない。
「八千九百…あ、違った、八百九十五めーとる」などと言っているおバカさんを
構わず写真に入れてやる!

第二展望台で休憩
少し上の第二展望台まで上がって休憩。パンとチョコバーを食べる。
展望台とは言え、ガスっていて景色は全く見えない。

長官山
長官山のピークを経て8:20に8合目。
少し下ると避難小屋。ここから一気に急登となる。
膝は痛くないがさすがに息が上がる。階段と岩場の繰り返し。
周りには木もなく、晴れていれば頂上が見えるのかもしれないが、今日はガスで何も見えない。
途中で初老の4人パーティーが居て「どっから来た?」みたいなことを英語で聞かれる。
それ面白い?お前外国人見かけたら全員に「どこから来たの?」って聞く?
日本人って分かってて、でもちょっと外国人ぽいからからかってるんじゃないの?
そういうの、いい加減聞き飽きたわ!そもそもどこの国の人だろうが構わないだろ!
今時外国人なんて別に珍しくない。この島国根性丸出しのクソ田舎者が!
なんて怒ったら「冗談だよ、冗談もわからないの?」って言うんだろ?
面白ければ冗談として成立するけど、面白くなかったらただの悪口になるって知ってる?
知らないでしょ?センス磨いてから喋りな!もう遅いだろうけど。
面倒臭いので「ジャパン!」とだけ言って抜き去る。
「若い人は速いね~」とか「日本全国の山を回ってるって感じだな」とか言っているが、
コッチは山のド素人だし若くもない。ただ痛み止めが切れる前に登りたいだけだ。
さらに黙々と進んでいよいよ頂上が迫る。
半分以上、いや、8割り方諦めていた利尻山だけど、もう登頂は確実だ!
頂上の大山神社の祠が見えた時はちょっと感動した。
今までにも少しは山に登っているが、こんなに嬉しかったのは初めてだ。
たかが1718m。普段よくクライミングで行っている廻り目平のキャンプ場の標高が1600m。
それよりも118m高いだけ。だけど今日のボクにはとてつもなく高くて遠い1718mだった。

利尻山山頂 利尻山頂でマメパン
頂上で食べようととっておいたパンを食べる。
マメパンだと思って買ったけどマメあんパンだった。
アンコちょっと苦手なんだけど、まぁイイか。

下山は来た道をひたすら戻る。
避難小屋に出るまでの道は岩だらけなので慎重に、なるべく膝に負担をかけないように歩く。
ストックにかなり頼ってしまう。
8合目辺りから、とうとう痛み止めが切れたらしく、再び膝が痛み始め、
5合目まで来たところでいよいよ耐えられなくなる。
今日2回目の痛み止め。

甘露泉水
行きには余裕がなくて素通りした甘露泉水で水を汲む。

痛み止めさえ効き始めればまともに歩ける。
13:00過ぎにキャンプ場到着。
朝残置した荷物を背負い、自転車でフェリーターミナルへ。

利尻海藻ラーメン
食堂で海藻ラーメンを注文。
ウニ丼も気にはなったが¥4500だったので流石に手が出なかった。

鴛泊港出航
なんだか駆け足で過ぎてしまった利尻島での2日半。
もっとゆっくり滞在したかった思いも有るけど、
充実した時間だったことに間違いはない。
右膝をかばって歩いていたからか、左足の足裏はマメが痛み、
今は両足を引きずって歩いている。
つまり、ただ小股で歩く人になってしまった。でも気分は悪くない。

フェリーのデッキにて

濃密な日々を過ごして戻った稚内は、なんだか懐かしくもある。
すぐに道の駅へ。
礼文島に行く前に「毎月20日ソフトの日」の貼り紙を見ていたのを、
今日、利尻山を登りながら思い出して
「今日は20日じゃないか?」とずっと気にしていたのだ!

毎月20日 ソフトの日!
ビターチョコとバニラのミックス!旨い~!

車を回収してすぐに移動。
ボクは今までに10回北海道に来たことがあって、今回で11回目。
だけど宗谷岬には行ったことがなかった。


初めて行った宗谷岬はこんなオブジェ?モニュメント?があるだけで他には何にも無い。
店ももう閉まっている。日没間際で風は強く、小雨も降って恐ろしく寒い。
写真だけ撮ってすぐに宗谷岬を後にする。
猿払の道の駅まで移動して車中泊。

柏田 洋志

1975年生まれ、東京都出身。多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。企業にてパッケージデザインに携わったのち、1999年独立。企業や団体の広告デザインを中心に各種グラフィックデザインを行いながら、毎年夏には日本各地の川の上流から海へ出る川旅に出かけている。2019年現在、下った川は60本。三途の川を100本めとして、99本を目指す「川旅99」プロジェクトを進行中。

柏田 洋志をフォローする
川旅日記
スポンサーリンク
川旅99 – 日本の川99本を旅する –

コメント

タイトルとURLをコピーしました