「2019年8月16日 川旅-25日目」【礼文島-2 トレッキング(スコトン岬~香深井)】

川旅日記
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カラスの鳴き声で目を覚ます。

いざ出発前!
朝食後、トレッキングの身支度。

ゴアライトX
13年使っているテント、パイネのGORE LIGHT-X。
だいぶボロボロで、ここ数年は毎年「もう買い換えよう」と思いながら使っている。
別売のフライシートは前室が広く、天気の悪い時はココで調理も出来てかなり優秀!
前室は便利さと安心感を与えてくれる。今は「G-LIGHT 」って名前になったはずだけど、
買い換えてもこのフライシートを使えるから「G-LIGHT 」にしてもイイと思う。

バスで最北のスコトン岬に行き、そこから島の西側を歩くか、
キャンプ場に近い礼文林道を通って島の南を歩くか、出発するまで迷っていたが、
キャンプ場を出ると足は勝手にバス停に向かっていた。
行きたいのは島の西側!と始めから心は決まってたんじゃないか!
香深井のバス停からバスに乗ってスコトン岬へ。
バスの運転手の話では、明日のフェリーの欠航はもう決定しているらしい。
スコトン岬
スコトン岬に着くと風がかなり強く帽子が飛ばされそう。
バスで一緒だったカップルも
「本当は歩きたかったけど天候が悪いから止めました」とのこと。

昨日の日記で書いた「24時間コース」は宿で勝手に企画していたルートだが、
正規に「岬めぐりコース」や「8時間コース」「礼文林道コース」「桃岩展望台コース」という
ルートが有って要所には標識も建っている。
「24時間コース」の後半、ボクが歩けなかった部分はこれらのコースを合わせたルートとなる。
ただし23年前とはルートが少し変わっていて、
宇遠内から元地までの海岸線は崖崩れのために今は通行禁止…。
現在のコースでは、礼文滝や地蔵岩は見に行けない。

登山地図のコースタイムでは、ボクの足し算が間違えていなければ
スコトン岬~キャンプ場までは10時間20分かかる。どのくらいで歩けるか?

ウミネコ
ウミネコと別れて7:40、いよいよスタート。

昔のようにガシガシと力んで歩いてはいけない。
歩幅は狭く静かに、だけど休まず一歩一歩着実に進むんだ!
軽いギアでケイデンスを上げろ!地面にも自分にもローインパクトだ。


スコトン岬からゴロタ岬まで風に吹かれながら尾根道を歩く。
ガスっていて見晴らしは良くないが気分はイイ。
天気が良かったら最高だろう。

スコトン岬を振り返る
たまにスコトン岬を振り返って、自分の歩いてきた距離を見て満足する。

ゴロタ岬
ゴロタ山までの登りも順調。ゴロタ岬まで1時間で歩く。
23年前はこの道を、ただただ足の痛みに耐えながら、
最後のエスケープ地点である澄海岬で断念するかを悩みながら進んでいた。
それ以外の記憶はほとんど無い。
しかし、足を引きずってよくこの道を歩いたものだ、と感心してしまう。
今日はまだまだ余裕!スコトン岬からスタートしてるんだから当たり前だけど…

ゴロタノ浜を通って鉄府漁港。少し寄り道して稲保ノ崎の岩の上にある鉄府厳島神社を見に行く。
ここから澄海岬まで波打ち際の岩を伝ってショートカットできないか?と考えるが、
行き詰まる可能性もあるので散策ルートに戻る。

澄海岬
10時過ぎに澄海岬。
ここも一度ルートを外れてわざわざ見に来なければならない。
ウッカリすると澄海岬を見ないで通過してしまう。
23年前にはここに来た記憶が無い。
もしかしたら「もう歩けない」と言ってボクだけバス停に残ったのかもしれない。
帰ったら当時の日記を確認しよう。
ともかく、ココが23年前にボクがリタイアした場所。
この先はボクの見ていない道。Mと礼文島で知り合ったY君が2人で歩いた道となる。
澄海岬から西上泊分岐点までは一気に登り、そこから笹原の尾根道をひたすら進む。

ハゲ山からの眺め

 笹原の尾根道 林道
召国分岐を過ぎてしばらくすると林道となる。

礼文島の猫
急に猫が出てきた。

沢を渡る
雨がパラつくが大したことはない。
ここまで静かに歩いて来たつもりだが、自分がかなり歩けると感じて、
下りは少し走ってみたりする。調子に乗り過ぎか?

アナマ岩に降りる手前
笹泊川を渡った先で急に視界が開けアナマ岩の手前の小ピークに出る。
ちょうど正午。見下ろす海が美しい。
写真を撮っている外国人と少し話をする。

アナマ岩に降りる急斜面
ココからアナマ岩までは足元の悪い急斜面を一気に海まで降りる。

海に注ぐ滝
宇遠内までは波打ち際の岩の上をルートを探りながら進む。
歩きにくいが、海に注ぐ滝など見ると楽しくなる。

12:40、スコトン岬から5時間で宇遠内。
さすがに疲れが出てきた。少し休憩。ナッツを食べる。
足の裏は以前のような歩けないほどの巨大なモノではないが、指先に小さなマメが出来ている様子。右膝にも痛みにが出始めている。しかし、もうココまで来れば大丈夫だろう。
この先の海岸線が崖崩れによって通行禁止になってしまった所。
Mはこの岩だらけの波打ち際を地蔵岩を目指して歩いたのか?!かなりキツかっただろう。
歩いてみたい、通行禁止を無視して行ってしまおうか?という気持ちを抑えて、
現在の正規ルートである香深井林道に入る。
宇遠内分岐点までは3kmほどだが、コースタイムは1時間20分。そんなにかかるか?と思うが、
確かになかなかの急登。あえて早足で歩いてみる。
登りは膝もマメも痛まないが下りはちょっと辛い。
やはり調子に乗りすぎたらしい。

宇遠内分岐点
宇遠内から1時間で宇遠内分岐点。
ここから礼文林道に入って知床まで南下、バスでキャンプ場に戻る、ということも考えたが、
コースタイムを見ると5時間。それよりは早く歩けると思うが、今から歩くにはちょっと遅いか?
そのまま20分歩いてキャンプ場に戻る。
スコトン岬から6時間半。よくやった!充実感と安堵感が湧いてくる。

キャンプ場で今日と明日の分の料金を払う。
管理人は「台風が来るからウッドデッキの上にテントを張り直せ」と言う。
ココはそんなに水ハケが悪いのか?
テントやフライシートに合った所にシッカリとペグを打つことが優先ではないだろうか?
デッキの金具が使えるように紐まで出してくれたのでシブシブテントを張り直す。
「ヤバかったら炊事場で寝てもイイし、最悪管理棟に来てもイイ」と言ってくれる。
だけどたぶんそこまで酷い事にはならない気がする。少し大袈裟じゃないか?
無理矢理ウッドデッキの上にテントを張り直してから、自転車で香深の温泉へ。
食材を買ってキャンプ場に戻る途中、アナマ岩の手前で会った外国人と再会。
「今度は自転車?!」と驚かれるが「温泉行ってきた」と説明(会話は全て日本語)。

旅パスタ
今日は米を炊かずにパスタ。旨い!

ナマステヒマラヤコーヒー
そしてナマステヒマラヤコーヒー

足裏に出来たマメの水を抜き、
膝と股関節にアンメルツヨコヨコを塗ってからシュラフに潜り込む。

柏田 洋志

1975年生まれ、東京都出身。多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。企業にてパッケージデザインに携わったのち、1999年独立。企業や団体の広告デザインを中心に各種グラフィックデザインを行いながら、毎年夏には日本各地の川の上流から海へ出る川旅に出かけている。2019年現在、下った川は60本。三途の川を100本めとして、99本を目指す「川旅99」プロジェクトを進行中。

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